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円資産の「悲観の極」の可能性はないか

Posted by 吉田 恒 2009年11月26日 10:47

T&Cフィナンシャルリサーチ 代表取締役 吉田 恒

日本株の米国など外国株に対する割安感が2000年以降で最高に拡大してきた。これを受けて、通貨調整後の日本株割安感も、2000年以降の最大圏に達してきた。これまでの場合は、それは円資産の「悲観の極」、円一段高スタート前夜と一致してきたが、果たして今回はどうか?

経験的には円資産割安の限界圏

日本株の米株に対する割安感を調べるTS倍率(TOPIX/S&P)に円の総合力を示す実効相場をかけあわせて求めた通貨調整後のTS倍率は、2000年以降で最も円資産割安圏まで下落してきた。ちなみに、最近と同じほど通貨調整後のTS倍率が下落したのは、2002年2月初め、2003年4月末、2008年8月下旬の3回。

ところで、この3回は、円安のピーク、円一段高スタートのタイミングでもあった。2002年2月初めは135円で2000年以降のまさに円安ピーク。そして2003年4月末は、日本経済デフレ下で日本政府が空前の円高阻止介入を継続していた局面だが、にもかかわらず121円で円安がピークをつけたタイミング。さらに2008年8月下旬は、110円で「100年に一度の危機」前の円安がピークを打ったタイミングだった。

結果的に、今回と同じほど通貨調整TS倍率が下落したところは、日本株安、円安の終わり、株高、円高の始まりとなっていた。振り返ってみると、円資産にとっては「悲観の極」だったわけだ。それとも今回は、円資産の「底割れ」となるのだろうか。

間違っているのは日本株安か、それとも世界株高か

ところで、このような世界的な株価反発に対する日本株の「置き去り」において、正しいのは世界の株高で、日本株安が間違っているのだろうか。もしかしたら逆の可能性もあるのではないか。
相場の短期行き過ぎをチェックする90日移動平均線からのかい離率をみると、日米の株価とも6月前後にプラス10%を大きく上回る動きになった。基本的には、かい離率がプラス10%を超える動きは短期上がり過ぎを示している。その意味では、夏にかけては、日米の株価とも同じような短期上がり過ぎの可能性があったわけだ。

ところが、その後のかい離率の動きは、日米の株価で大きく異なってきた。日本の株価の90日線からのかい離率は最近にかけてマイナスかい離率が拡大に転じているのに対し、米株のそれはなおプラスを維持している。

経験的には、短期上がり過ぎの修正は、90日線を大きく割り込む動きに向かうもの。その点でいえば、日本株の90日線からのかい離率の動きは「正常」で、むしろ米株の方がまだ短期上がり過ぎが修正されていないといった意味で「不正常」の可能性がある。

日本株安が「正常」で、世界株高が「不正常」といったことは本当にあるのか。かりにそうなら、今後遅れていた世界株高の短期上がり過ぎの修正が起こるということになる。たとえば、NYダウなら24日現在9700ドル程度の90日線割れに向かい、そういった中で日本株の割安、米株の割高が修正されていくことになるが、果たして?(了)


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