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ドル買い・円売りの主因と、その持続力

Posted by 吉田 恒 2007年12月25日 15:03

ドル円が114円台を記録するなど円一段安・ドル一段高となっている。株高によって円キャリー取引が再開していることが主因といった説明もあるが、むしろポジション調整のドル買い戻し、円売り戻しが主因ではないか。そしてそんなポジション調整は、ほぼ一巡が近いのではないか。

ポジション調整の一巡

ヘッジファンドなどの売買を示すシカゴIMM統計によると、この間ドルショートが急縮小したことがわかる。同統計をもとに試算した米ドルの持ち高(主要5通貨の持ち高合計)は、12月18日現在で7.2万枚のショートとなり、1週間前に比べてドルショートが半減、7月以来約5ヶ月ぶりの小幅ショートとなった。

これは、一方でドル以外の通貨の買い持ちが急縮小していることも示している。同じく12月18日現在で、円は1.3万枚、ユーロは3.1万枚とそれぞれ1週間前に比べてロングがほぼ半減となった。

以上見てきたことからわかるのは、先週にかけてドル買い戻し、円およびユーロの売り戻しが急拡大した可能性だ。114円台まで円安・ドル高が進む中で、円売り・ドル買いが広がったのは事実だが、それは円キャリー再開というより、むしろポジション調整によるものだったということだろう。

ところで、ドルショートが約5ヶ月ぶりの低水準に縮小したこと、円はほぼニュートラルに近くなり、ユーロに至っても昨年10月以来、1年以上ぶりの小幅ロングに縮小した。これらは、ポジション調整はほぼ一段落が近いところに達している可能性を示している。スタートラインに戻ったところで、新たな方向性が試される段階にあるのだろう。

行き過ぎたドル高・円安

では、そういった中で一段とドル高・円安が広がる可能性はあるのか。基本的にはすでにドル高・円安の行き過ぎ圏に入っていると考えられるため、反転リスクも背中合わせの状況にあるのではないか。

過去20年以上、ほぼ対円でのドル上限となってきた日米卸売物価基準の購買力平価が、ここ数ヶ月じわりドル安・円高方向に動いている。11月末時点では111円割れとなった。その意味では、現在114円前後で推移しているのはドル高・円安行き過ぎ圏といえそうだ。

日米の購買力平価は、過去20年以上、基本的にドル上限となり、それを超えたドル高は一時的でその後反落するパターンが繰り返されてきた。

さて、その購買力平価、今年前半までは115円前後での推移となっていたが、ここ数ヶ月113−114円程度とドル安・円高方向に微妙に修正されてきた。ドルの上限、「天井」が少しずつ下がってきたのである。

これは米インフレ率の上昇が主因だ。インフレは通貨の下落といった意味だが、日本の物価上昇率を米国の物価上昇率が上回ることで、ドル安・円高となってきたわけだ。11月はそれがさらに加速、同購買力平価は110.84円となり、111円を割れてきた。

こういった購買力平価との関係で見ると、114円前後で推移しているドル円相場は、ドル高の行き過ぎ圏の可能性があるため、今後のドル反落リスクは要注意かもしれない。(Y)

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