FOMCと米金利「下がり過ぎ」
30日FOMCでは結果的に0.5%の大幅利下げとなったが、事前には見方が大きく分かれていた。FOMC前に見方が大きく分かれていたのは基本的に少ない。あえていえば2003年6月FOMCに似ているのではないか。
鍵は米金利の動き
今回のFOMCでは、0.25%ないし0.5%の追加利下げがあるとの見方のほかに、利下げ見送り、逆に2回連続0.75%利下げといった見方など、事前の見方がかなり分かれていた。FOMC前に、これほど見方が分かれていたのはきわめて珍しいだろう。
あえて過去に似た例を探せば、2003年6月FOMCではないか。この時は、日本に続き、ついに米国もデフレに転落しかねないといった「グローバル・デフレ」騒動が広がり、FOMCの決定についても0.5%の利下げが0.25%か、それ以外の選択しかも含めて大きく分かれていた。
そしてFOMCが出した結論は0.25%の利下げ。これを受けて当日の金融市場は、株がダウ平均98ドルの反落。そしてドルもいったん下落したが、結果的にはほぼ横ばいに戻しての引けとなった。「デフレ」騒動の中では、失望だったかもしれない「小幅利下げ」でもドルが下げ渋ったのは米金利が反発したからだろう。
この米金利反発はFOMCの翌日以降一段と拡大した。これを見てさすがにドルも一段高へ向かった。一方で米株は、ダウ平均が9000ドル前後での一進一退を続けたが、金利が急騰へ向かう中で、行き過ぎたデフレ騒動は一気に鎮静化へ向かったのである。
ではこの時、なぜ米金利は急反騰へ向かったのか。株価がその後も一進一退を続けたことからすると、デフレ懸念に象徴される景気への不安はこのFOMC後もくすぶり続けていたのだろう。にもかかわらず、米金利が急反騰に向かったのは、やはり極端な「下がり過ぎ」になっていたからだろう。
当時の米長期金利は、200日移動平均線からマイナス20%近くまでかい離していた。経験則からすると、マイナス15%以上のかい離は、「下がり過ぎ」。その意味では、FOMCが0.25%という、事前予想からすると「小幅利下げ」にとどまったものの、それでも「下がり過ぎ」の金利にさらなる下げ余力がないことを確認、一気に反転となったのだろう。
さて、今回はこの200日線からの米長期金利のマイナスかい離率が、2003年6月当時を上回るほどに拡大した。その意味では、2003年以上に米金利は「下がり過ぎ」になっている可能性がある。
FOMCの結果は0.5%の大幅利下げで、その意味では2003年6月とは異なるものだったが、米長期金利は続伸となった。さらなる低下の限界を確認し、急反転に向かう可能性はあるのか、もう少し注目したい。(Y)














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