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2006年11月24日

11/24 低金利通貨買戻しの流れ、続くか? | トレイダーズ証券(株)及川佳奈子さん

トレイダーズ証券(株)
営業企画部情報戦略課
及川佳奈子さん

プロフィール

大手信託銀行(外国株式のコーポレートアクションに携わる)を経て2003年6月にトレイダーズ証券に入社。以来、市場分析に携わり、WEB上のレポートやメールマガジン、トレイダーズTVへ情報提供。海外通信社からの取材を受けるなど、英語能力を活かした現地情報の収集力には定評。

低金利通貨買戻しの流れ、続くか?

今週は、日米が祝日の間に、一気に円が買い戻される展開となりました。この流れが来週も続くのかどうか、年末にかけての動向を占う上で重要な局面にあると言えるでしょう。

ここ5日間の主要通貨のパフォーマンスを見てみると、上昇率1位がスイスフラン、そして2位が日本円と、低金利通貨が買い戻された格好になっています。キャリートレード(低金利通貨を調達して高金利通貨で運用する)の巻き戻しに対する警戒感が強まっていることがわかります。ただ、この円買い戻しの動きが一段と活発化するかどうかの判断は、来週末に発表される日本の10月・全国消費者物価指数を見てからでも遅くないのでは、と思っています。今週水曜日に発表された11月の月例経済報告では、個人消費の伸びが鈍化していることを背景に、景気の基調判断が23カ月ぶりに下方修正されました。これを裏付けるような弱い数字が出た場合には、日銀の追加利上げに対する期待が後退する可能性もあるでしょう。あわせて、福井日銀総裁や野田日銀審議委員の講演会なども予定されていますので、その発言内容にも注目したいところです。

一方、米国サイドを見てみると、来週は経済指標の発表そして金融当局者の講演が目白押しとなっています。耐久財受注・住宅関連指数・GDP一次改定値・地区連銀報告・個人消費支出・シカゴPMI・ISM製造業景況指数などが発表される予定です。引き続き、ひとつひとつの指標結果に一喜一憂する展開となりそうですが、12月8日(金)の米雇用統計を前に、シカゴPMIやISM製造業景況指数はそれぞれの構成項目のうち雇用の数字にも注意が必要でしょう。

ドル/円は115.50割れで波乱含みの展開も

ドル円相場のチャートを見てみますと、年初来安値からの上昇トレンドラインや100日移動平均線、一目均衡表においては雲の下限を割り込み、弱気な形になっていることがわかります。目先は、9月5日の安値115円58銭が下値のポイントとなりそうです。ちょうどこのレベルは、年初来安値からの上昇に対する38.2%押しにもあたるため、この水準を割り込んでくると波乱含みの展開になることも想定されます。逆に、この水準で踏みとどまった場合には、今月ずっと下値のサポートラインとして機能していた117円まで戻すことができるのかどうかがポイントとなるでしょう。ユーロドル相場が1.300ドルの大台に迫っていることも念頭に置きながら(1.300ドルに近づくとユーロ圏の金融当局者からユーロ高牽制発言が出ることが多い)、取り組みたい局面ですね。

●波乱の展開となるかは、117円まで戻せるかどうか

トレイダーズ証券で外国為替証拠金取引

経済・為替そしてそれに付随する情報の提供を目的としてのみ作成されたものであり、取引の勧誘を目的としたものではありません。万一内容に誤りがあった場合、また当内容を用いたために直接あるいは間接的に生じた損失について、解説者及びトレイダーズ証券はいかなる責任を負うものではありません。取引に関しての最終決定は必ずお客様自身の判断でなさいますようお願い申し上げます。

2006年11月17日

11/17 豪ドルが本領発揮か?いまこそ高金利通貨

ひまわり証券(株)
FXアドバイザー
勝間田 厚子さん

プロフィール

ひまわり証券の紅一点・為替アドバイザー。大学卒業後、すぐにFX業務に従事。WEBセミナーでは「週間予報“来週のここに注目”」で経済予報士として人気が高い。緻密な計算と、女性ならではの柔軟な考えから導きだされる独自の相場観にはファンも多く、ブルームバーグの為替相場展望コーナーにも出演!

勝負は来週に持ち越し

今週、注目の日銀金融政策決定会合が開かれました。ここ最近市場では、日本の早期利上げが話題に上がっていたことから、発表前から緊迫した空気が流れていましたが、結果は予想通りの据え置き。政策金利の発表後に行われた福井日銀総裁は定例会見で、「今後の追加利上げについていかなるタイミングも排除しない」とコメントしたものの、結局は市場の期待をあおるほどの踏み込んだコメントではなかったため、市場への反応は限定的となりました。
一方アメリカでも金利動向を見る上で重要な消費者物価指数が発表され、予想値を下回る結果に。一時ドル売りもありましたが、結局はシカゴ連銀総裁が引続き追加利上げの可能性を示したことで、ドル買いの流れに。しかし各国の金利動向に関しては、決定打と言える材料がないため、まだまだ不透明といったところです。

オーストラリアドル、本領発揮か

今週は、中国人民銀行(中央銀行)が外貨準備用に円を買っているとの報道があったりと、市場が注目する各国の金利動向以外にも様々なニュースが市場をにぎわしました。そんな中、独自のペースで上昇していたのがオーストラリアドル。
オーストラリアドルは一時利下げという話題が上ったものの、今月利上げを行ったことで、ますます各国との金利差が明確になってきたこともあり、絶対的な金利差を見せつけるべく上昇を続けています。今週、オーストラリアドル/円は一時91円間際まで上昇。利益確定ということで調整のため売られるものの再び上昇に転じたことから、来週も上昇の流れが続く事が予想されます。

現状の金利差を見極める

足踏み状態の金利動向ですが、その他にこれといった市場の目を引く材料もなかなか見当たらないため、来週もその流れを引き継ぐことが予想されます。ここのところの経済指標は、結果の良し悪しが利上げ期待などに直結する傾向があるため、来週も一つ一つの経済指標が相場を動かすきっかけとなってきます。しかし金利動向に関してどの国も目新しい材料が出てこないことから、利上げ期待のある通貨だけではなく、オーストラリアドルや南アフリカランドといった現状の金利差で強さを持ついわゆる高金利通貨に、しっかりと目を向けたいところです。

●オーストラリアドル/円は、前回の高値、91円台前半を超えられるか

経済・為替そしてそれに付随する情報の提供を目的としてのみ作成されたものであり、取引の勧誘を目的としたものではありません。万一内容に誤りがあった場合、また当内容を用いたために直接あるいは間接的に生じた損失について、解説者及びトレイダーズ証券はいかなる責任を負うものではありません。取引に関しての最終決定は必ずお客様自身の判断でなさいますようお願い申し上げます。

2006年11月10日

11/10 セントラル短資オンライントレード 須藤博史さん

セントラル短資オンライントレード(株)
ソリューション営業部 部長
須藤 博史さん

プロフィール

欧州系銀行で為替ディーラを歴任後、2005年からセントラル短資OTに在籍。銀行在籍時にはドル円のほか欧州主要通貨を主戦場にトレーディング行う。スイスフランやユーロポンドも得意分野のひとつ。一目均衡表を利用した分析に、定評がある。

米の対中赤字は市場最高。保護主義的な政策が強まるか

今週火曜日に行われた米議会中間選挙では大方の予想通り民主党の躍進により、上下両院においてブッシュ大統領率いる共和党は過半数を失い、ブッシュ大統領は議会に対する影響力が極端に弱体化する可能性が高まっている。ブッシュ大統領は議会或いは民主党に対して協調を申し入れているが、民主党はイラクでの展開や所得税減税の延長を政策として掲げての議席奪回である限り、ブッシュ大統領は政治的に非常に苦しい立場に追い込まれたことは確かである。民主党の躍進によりイラクからの撤退や所得税減税の打ち切りにより、巨額といわれている財政赤字の削減について道筋ができることから米ドルにとってポジティブな面と捉える向きと、民主党が従来から保護主義的な政策を進めていることから、ドルの切り下げを行うのではないかといった思惑、また所得税減税を打ち切ることにより、米国経済が後退を始めるのではないかといった思惑から、米ドルは売り込まれるのではないかといった綱引きが市場では行われているものと思える。

現時点では相場に大きな影響を与えておらず、ドルは118.00を挟んでの小動きとなっている。その後発表されている米貿易収支は原油価格の下落により赤字額自体は減っているものの、中国に対する赤字は史上最高を記録しており、民主党が保護主義的な政策を行う可能性が高まっているといえる。10月中旬に119.88の高値を見せた後、ドルの相場は折り返しを見せドル円は一時116円台まで下げたが、その後の経済指標が改善傾向を見せていることからドル円は118円台を回復する結果となっている。また先週末に発表されているIMMのポジションでは円売りのポジションが半減したことで、却って円が売り込まれやすくなっていることは確かである。

ユーロ円の円安は大きな懸念へ。大幅な円安へは向かわない?

ユーロ円はこういった背景にユーロに対する金利上げ期待感が合わさってユーロが買い進まれる展開となっており、151円台のユーロとしては最高値を見せている。しかしユーロ円での円安は欧州を中心として大きな懸念となり始めており、現状のレベルでは欧州政府筋を中心として円安懸念発言はいつ出てもおかしくない。またドル円では長い間言われていることだが、各国の外貨準備に代表されるようなドルに対する一極集中の資産運用に関しては多くの国が懸念を持っており、中東がドルからユーロに資産シフトを起こしたのをきっかけとしてロシア、北欧、アジアに国々がドルを売り、円を含むその他の通貨を買う動きが強まっている。このような状況下、金利差がありながらも大幅な円安とはなり難く、素直に円買いが進む可能性が高まっているといえる。

よって年内に関しては、来年に向けての米利下げ期待感の高まりに合わせてドル安方向の可能性が高まっているのかもしれない。

■年内はドル安方向の可能性が高まるか?


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2006年11月 2日

11/4 三菱商事フューチャーズ証券 外国為替部 部長 藤井肇さん

三菱商事フューチャーズ証券株式会社
外国為替部 部長
藤井肇さん

プロフィール

三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)のニューヨーク支店副支店長、同行検査部部長、日興信託銀行常務取締役資金為替本部長等を歴任し、現在に至る。元為替ディーラーの経験豊富な知識を活かした鋭い分析力に定評があり、現在も三菱商事フューチャーズ証券の外国為替取引「サイバーフォレックス」にて掲載中の「藤井肇の為替展望コーナー」や、「外国為替の豆知識」、フォレックスマーケットコラム「行雲流水」等、人気が高い!

11月7日米国中間選挙結果に注目

先週のドルは、米景気の減速感の高まりを受けて軟調に推移し、一時116円台を示現した。今週の経済指標の発表については、米貿易収支が注目され、最近の原油価格下落により赤字が想定外に膨らむことは考え難いが、700億ドルを超える、若しくは対中赤字が巨額に達した場合、後述の中間選挙との関連でドル安が進行する可能性がある。

またFRB関連では11月6日にモスコー・シカゴ連銀及びイエレン・サンフランシスコ連銀両総裁、10日にバーナンキ議長の講演が予定されている。3氏とも中立ないしタカ派であるが、景気減速を表す経済指標の発表が続いており、景気、金利についてのニュアンスによってはFRBの金融政策に対する見方が変わり、日米金利差縮小による円高の憶測が強まると考えられる。

民主党が上・下院を制すれば、円高ドル安方向か?

さらに今週最大のイベントは、7日の米中間選挙。現在のマーケットはイラク戦争の失敗、共和党のスキャンダルにより下院は民主党が過半数を制する一方、上院は非改選議員数とチェイニー副統領の議長としての一票で与党共和党が辛うじて多数を維持するとの結果を織込んでいる。上・下院を民主党制すれば現政権への不信任であり、民主党は対外貿易について基本的には保護主義であるため、対米貿易黒字国の通貨には逆風となり、円高圧力がかかり易い。更に北朝鮮が6ヶ国協議復帰を表明したことは、短期的に本邦の地政学的リスク緩和で、円には順風。従って今週はドル安材料が多く116-117円台を中心とする上値重い状況が続くと予想される。但し、選挙は予想と結果が大きく食い違うことも多く、共和党が勝てば流れが一気に変わる可能性は残る。

豪州、英国の政策金利の動向にも注意!

なお、今週(11月6日〜)は日米以外にもイベントが多く、8日豪州、9日英国で政策金利が見直される機会がある。両国とも利上げは12月の可能性が強いが、繰上げの可能性もあり要注意。更に7日のEU経済財務相理事会も同日の米中間選挙との絡みで注目される。

●11/6〜11/10の 予想レンジ

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高値119.60 安値115.60

 

ドル安材料多く上値は重い。116〜117円台を中心の推移になるか

※このレポートの対象期間は11月6日(月)〜11月10日(金)です。

経済・為替そしてそれに付随する情報の提供を目的としてのみ作成されたものであり、取引の勧誘を目的としたものではありません。万一内容に誤りがあった場合、また当内容を用いたために直接あるいは間接的に生じた損失について、解説者及び三菱商事フューチャーズ証券はいかなる責任を負うものではありません。取引に関しての最終決定は必ずお客様自身の判断でなさいますようお願い申し上げます。