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2006年12月27日

12/27 海外勢が戻ってくる年末年始、円売り地合いが継続するかに注目 | トレイダーズ証券(株)及川佳奈子さん

トレイダーズ証券(株)
営業企画部情報戦略課
及川佳奈子さん

プロフィール

大手信託銀行(外国株式のコーポレートアクションに携わる)を経て2003年6月にトレイダーズ証券に入社。以来、市場分析に携わり、WEB上のレポートやメールマガジン、トレイダーズTVへ情報提供。海外通信社からの取材を受けるなど、英語能力を活かした現地情報の収集力には定評。

海外勢が戻ってくる年末年始、円売り地合いが継続するかに注目

12月25日からの週は、欧米はじめ世界の多くの国がクリスマス休暇で薄商いの中、ドル円相場は11月の戻り高値118円60銭を上抜けて2ヶ月ぶりの119円台を示現しました。クロス円も小動きながら底堅く推移しており、日本勢と入れ替わりで海外勢が戻ってくる年末年始も円売り地合いが継続するのか注目です。

次回1月利上げの決め手に欠ける日本経済の事情

金利差の観点から考えると、円はますます買いづらい状況になってきました。決定打となったのは、12月19日の金融政策決定会合終了後に行われた福井日銀総裁による記者会見。年度内の利上げに向けた“地ならし発言”を期待する向きも多かっただけに、「個人消費、消費者物価やや弱め」といった予想外の弱気発言に対して、市場では早期追加利上げに対する期待が後退しました。その後26日に発表された日本の消費者物価指数(CPI)では、11月全国CPI(除生鮮)が前年比+0.2%と緩やかな上昇に留まったほか、先行指標とされている12月東京CPI(除生鮮)も同+0.2%、アメリカと同じ基準でみた11月全国CPI(除生鮮・エネルギー)に至っては同−0.2%と、いずれも次回1月の利上げの決め手にはなりませんでした。

政府側は12月の月例経済報告で、「消費に弱さが見られる」として23ヶ月ぶりに下方修正した前月の基調判断を据え置いています。また、ここ最近、支持率が低下している安倍政権にとっても、早期利上げは「2011年の基礎的財政収支黒字化」という目標を脅かしかねません。こうした状況で、日銀が次回利上げに踏み切るためには、それを正当化する強い経済指標の結果が必要と思われます。

年始早々の指標で円買戻しの可能性あるが、最大のポイントは120円台乗せ

年明け第2週目までの予定を見ると、材料視されそうな国内消費関連の指標発表は予定されておらず、それまでは基本的には円売り地合いが続くものと考えています。ただ、海外では新年早々、重要な経済指標の発表が相次ぎます(下記参照)ので、その結果が円買い戻しにつながる可能性は否定できません。投機筋の円売りポジションが過去最高を記録した10月下旬以来の水準まで高まっていることからも、短期的な円高進行というシナリオも警戒しておく必要はあるでしょう。

ドル/円相場は、年初来高値119円88銭を突破して120円台に乗せることができるのかどうかが最大のポイント。乗せた場合には、2005年末に付けた高値121円40銭が意識される展開となるでしょう。逆に、戻り売りに押される動きとなった場合には、11月上旬のもみ合いゾーンを維持して再び反発していけるのか、そのあたりに注目しながら取り組みたい局面です。

06年初来高値119円88銭を突破し、120円台乗せとなるか

トレイダーズ証券で外国為替証拠金取引

経済・為替そしてそれに付随する情報の提供を目的としてのみ作成されたものであり、取引の勧誘を目的としたものではありません。万一内容に誤りがあった場合、また当内容を用いたために直接あるいは間接的に生じた損失について、解説者及びトレイダーズ証券はいかなる責任を負うものではありません。取引に関しての最終決定は必ずお客様自身の判断でなさいますようお願い申し上げます。

2006年12月22日

ひまわり証券-NZドル−高金利、通貨高はこれからも続くか?

ひまわり証券(株)
金融市場部 市場分析チーム
湊川 直人さん

プロフィール

ひまわり証券に入社以来、金融市場部に在籍し、一貫して市場・情報分析に従事。Flash Newsやオセアニア通貨レポート(Tri NationsReport)の執筆など、ホームページ上での人気コンテンツを担当。マクロ経済に対する造詣が深く、中央銀行の金融政策などファンダメンタルズ分析には定評がある。

NZドル−高金利、通貨高はこれからも続くか?

12月7日に行われた今年最後の政策会合で、RBNZ(ニュージーランド準備銀行)は政策金利を7.25%で据え置く事を決定した。同時に出された声明では利上げの可能性は高まったとしならがらも、インフレ見通しを下方修正するなど、見通しは混在。ここに今後の利上げ・利下げの方向性を決定付けるものは何も見受けられなかった。

しかし、同国の足元の景況感は決して悪くない。その証左に失業率は引続き低水準にあり、小売に至っては今年4月にマイナスを付けた後、右肩上がりの成長を示している。また前年比で見ても引き続き大きな拡大を見せている。これだけ見れば利上げ期待が浮上するのは必至と言える。

通貨高は経常赤字の拡大をもたらす

ではなぜRBNZは利上げを実施しないのか?それは声明文で明らかにされている。RBNZはインフレ圧力は堅調としながらも、07年3月までのインフレ見通しを2.7%とした。RBNZはインフレのターゲット・バンドを1-3%に設定している。最新のデータでは同国のインフレ率は3.5%とそのバンドを大きく上回っているが、前述の2.7%という見通しはそのバンド内へと回帰する事を意味し、加えてこれはRBNZに利上げを実施する喫緊の理由がない事を意味する。

また声明文にはなかったが、ここ最近のNZドル高も一要因と考えられえる。同国の経常赤字は既に記録的な高水準にある。一般に利上げは通貨高をもたらし、その結果が赤字拡大をもたらす傾向にある。NZドルは今年6月に0.60台を割れた後、17%近くも上昇している。これが当局に金融政策の舵取りを困難にさせているとも考えられる。

過去に一度もないRBNZ介入の可能性は?

2007年に向けても、政策金利動向は不透明と言える。しかし少なくとも現段階では、声明文の内容/経済データを考慮すると「利下げの可能性は皆無」と言えるだろう。ファンダメンタルズの側面には憂慮する要因はなく、高金利はそのまま利回りを選好しての債券需要を牽引する。これらを勘案するとNZドルはもうしばらく堅調さを維持するであろう。 リスクはもちろん存在する。「利下げの可能性は皆無」と上述したが、換言すればその利下げ期待が浮上した場合の反動は大きいという事。元々市場に占める流動性の低さを考えれば、その際の急落の可能性も否定出来ない。

もう一つはここ最近やや目に付いてきた当局による通貨高懸念。特にボラードRBNZ総裁は介入の可能性をも示唆した。NZは過去に一度も介入を実施した事がない。NZドルは昨年0.74台を付けている事から現在の水準で実際に介入を行う可能性は高くないとも考えられるが、為替水準そのものではなく、市場の安定という観点から実施される可能性も考えられる。

NZドル/USドルは0.70台がポイントか

当局が金融引締めスタンスを維持し、景気のソフトランディングを目指している事。また消費者物価指数といったRBNZが注視するデータが低下傾向を示しつつある事から、短期的に利上げの可能性は残っても、より長いスパンで見れば政策金利は引下げられていく可能性が高い。 NZドルは中・長期で見ればRBNZによる緩和政策への移行という観点から下落地合いを強める可能性が高いが、短期的にはまだまだ、上値を試す地合いが続くと見る。来週にかけては0.70台がポイントとなろう。この水準では利益確定売りが出やすいだろうが、その直後の下げは買いの好機かもしれない。

●6月から17%も上昇。来週は0.70台への突入か?




経済・為替そしてそれに付随する情報の提供を目的としてのみ作成されたものであり、取引の勧誘を目的としたものではありません。万一内容に誤りがあった場合、また当内容を用いたために直接あるいは間接的に生じた損失について、解説者及びひまわり証券はいかなる責任を負うものではありません。取引に関しての最終決定は必ずお客様自身の判断でなさいますようお願い申し上げます。


2006年12月15日

12/15 対欧州通貨でのドルの買い戻し調整。
07年初はドル高方向への動きが強まるか?

セントラル短資オンライントレード(株)
ソリューション営業部 部長
須藤 博史さん

プロフィール

欧州系銀行で為替ディーラを歴任後、2005年からセントラル短資OTに在籍。銀行在籍時にはドル円のほか欧州主要通貨を主戦場にトレーディング行う。スイスフランやユーロポンドも得意分野のひとつ。一目均衡表を利用した分析に、定評がある。

対欧州通貨でのドルの買い戻し調整。
07年初はドル高方向への動きが強まるか?

日銀による短観が予想通りに終わった事から来週(18日・19日)に控える日銀政策決定会合では金利据え置きが予想されており、年内の大きなイベントはほぼ終わったと言える状態になりつつある。年末に向けて市場はポジション調整的な動きが強まり、今までの流れとは違った動きを見せる可能性が高まっていると言えるのではないか。

強まりつつあるドル買戻しの動き、
118円台乗せなら120円を目指す展開も

央からドルを資産として持つことに対して各国中銀などが懸念を持ち始め、中銀によるドル資産からその他の通貨へのシフトがかなり派手に見られていた。しかしここに来て、米経済指標が予想ほど悪くないことや米年末商戦では堅調な消費が見られていることなどもあり米株価は堅調に推移、来年に予想されていた米金利利下げが遠のいたのではないかとの思惑から、ドルを買い戻す動きが強まりつつある。ドル円は114円台中盤で跳ね返された後118円近くまでの上げを見せており、118円台に乗せることになれば再度120円を目指す展開となりやすい。またIMMのポジションでは一時ドル売りポジションは縮小していたが、ユーロドルや豪ドル、ポンドドルなどでドル売りポジションが膨らみ各通貨ともかなり高いレベルのロングとなっている。


年内は、ユーロドル、ドルスイス中心の

ドル押し目買いが面白い?

ユーロドルは12/8に1.3365の高値を見た後は徐々にやわ含み始め、1.31台中盤までのドルの買い戻しが入っている状態となっている。目先は、1.31台前半では中銀筋と思われるユーロ買いオーダーが並んでいることから今のところは下げ渋っているが、戻り出の売り意欲は依然として強く、1.30割れにはストップも溜まっていることから近いうちに1.30割れを見る可能性が高まっているように見える。目先の下値の目処は10/13の1.2484と1.3365の半値戻しのレベルである1.2925近辺と思われる。また来年も年初は対欧州通貨や豪ドルなどでドルを買い戻す動きは継続する可能性が高まっており、年初はドル高方向へのバイアスが強くなりそうである。スイスフランは昨日のスイス中銀理事会において利上げを行ったものの、来年のインフレ予想を下げたことから今後の米ドルとスイスフランの金利差縮小のペースが落ちるとの思惑も入り、ドル買いが他の通貨と比べて先行している。となれば年内は、ユーロドルやドルスイスを中心としてドルの押し目買いが面白いのかもしれない。。


■ユーロドルの目先の下値目処は1.2925近辺か?






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2006年12月11日

12/4 三菱商事フューチャーズ証券 外国為替部 部長 藤井肇さん「目立つ円高要因 12日のFOMC、14日のOPEC総会、15日の日銀短観は要注意」

三菱商事フューチャーズ証券株式会社
外国為替部 部長
藤井肇さん

プロフィール

三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)のニューヨーク支店副支店長、同行検査部部長、日興信託銀行常務取締役資金為替本部長等を歴任し、現在に至る。元為替ディーラーの経験豊富な知識を活かした鋭い分析力に定評があり、現在も三菱商事フューチャーズ証券の外国為替取引「サイバーフォレックス」にて掲載中の「藤井肇の為替展望コーナー」や、「外国為替の豆知識」、フォレックスマーケットコラム「行雲流水」等、人気が高い!

目立つ円高要因 12日のFOMC、14日のOPEC総会、15日の日銀短観は要注意

いよいよ今週及び来週が本年最後の盛り上がりを見せると思われる。今週の日米の重要なイベントについて、日本の経済指標の発表としては企業物価指数があるが、最大の注目ポイントは15日の日銀短観。事前の予想ではマーケットが最も注目する大企業DIについて、前回の+24より1〜2ポイント上昇。予想以上に好転すれば来週の日銀金融政策決定会合における利上げ決定の思惑が高まり、円高圧力が強まる。


一方米国でも貿易収支、財政収支、小売売上、消費者物価指数、鉱工業生産、設備稼働率、NY連銀景況、証券投資収支といった重要な経済指標の発表が続き、マーケットへの影響度も相当高いが、最大のイベントは12日の本年最後のFOMC。米国の金利引上げ打止め感が定着しつつある一方、一部では早期の利上げ観測も台頭している。

FOMC後の声明に、早期利下げの含みがあれば円高進行へ


今回は政策金利の変更はない見込であるが、終了後の声明内容が多少でも早期利下げに含みを持たせるようであれば、前述の日銀短観とも絡み日米金利差縮小の思惑により円高進行の可能性が強い。更に年末を控え、ファンド筋の円キャリートレードの巻き戻し、売り待ちに傾いている円ポジションの調整、欧州系企業の在米子会社収益の回収によるユーロ高・ドル安といった間接的な円高要因もある。

従って、今週も円高・ドル安に進み易い状況で、引続き114円台後半から115円前半を中心とするドル弱含み推移と予想する。尚、11日のAPEC財務相会合、今週の14-15日に延期された米中戦略経済対話、14日のOPEC総会の結果が外国為替相場に影響を与える可能性があることも要注意。

●12/11〜12/15の 予想レンジ

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高値117.50 安値113.50

 

114円台後半から115円前半を中心とするドル弱含み推移か?

※上記レポートの対象期間は12月11日(月)〜12月15日(金)です。

経済・為替そしてそれに付随する情報の提供を目的としてのみ作成されたものであり、取引の勧誘を目的としたものではありません。万一内容に誤りがあった場合、また当内容を用いたために直接あるいは間接的に生じた損失について、解説者及び三菱商事フューチャーズ証券はいかなる責任を負うものではありません。取引に関しての最終決定は必ずお客様自身の判断でなさいますようお願い申し上げます。

2006年12月 1日

11/24 フェニックス証券・鏑木 孝顕さん「各国政策金利の発表に注目。12月8日にはビッグイベント、米雇用統計」

フェニックス証券(株)
外国為替部係長
鏑木 孝顕さん

プロフィール

2006年1月よりフェニックス証券株式会社勤務。企画開発・マーケティング、カスタマーサポート部門などの業務に従事。現在チーフカスタマーディーラーとして、顧客サービス・情報提供といった投資コンサルティングに尽力している。 NPO法人日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト

各国政策金利の発表に注目。12月8日にはビッグイベント、米雇用統計

27日からの週は、前週末からの円高ドル安の流れを引き継ぎ33P円高に窓を空けてのスタートとなった。その後は急落の反発から116円ミドルまで値を戻す動きも見られたが、本邦輸出勢や欧州通貨の堅調な動きに上値を抑えられる格好となり、全般に115円ミドルから116円ミドルでのレンジ取引となった。

このレンジ相場がどちらにブレイクしてくるか、注目指標が目白押しとなっていることもあり、来週の動きが注目される。

非農業雇用者数10万人割れはサプライズ?115円割れも

最近のドル安要因として挙げられているのは、欧州中央銀行(ECB)による早期利上げ観測の高まりやFOMCによる利下げ観測、本邦日銀による年内利上げ観測など各国金利差、その他、米景気の先行き不安や外貨準備のドル離れなどがある。

そんな中、来週は各国から政策金利が相次いで発表される上、8日金曜日にはビックイベントとなる米雇用統計の発表が予定されており、各指標をこなしながら米雇用統計を占う展開が予想される。

ちなみに事前予想では雇用統計が4.5%程度、またブレの激しい農業部門を除いた非農業部門雇用者数(NFP)で12.5万人と、前回値(9.2万人)から若干の上昇が見込まれており、再度10万人を割れるようなサプライズとなった場合にはドル売りが加速する可能性が高く、注意が必要だ。節目となっている115円割れも想定しておきたいところか。

ただ、季節要因としてボーナス時期に絡んだ投信設定、外貨で運用した資金を本国に戻すレパトリ、好調な兆しを見せる米クリスマス商戦や円売りキャリートレードの再燃などドル買い要因も多く、基本的には指標を待ちつつレンジでの取引となりそうだ。

116.50円近辺埋めがポイント

117円ミドルでのこずみから急落で下値不安が高まっていたが、心理的な節目となっている115円をバックに切り返して来た。週足ベースRSI・RCIでは短期線がそれぞれ25%・-80%、%Rオシレーターでも95%とオシレーター系指標では依然として割安感が漂っており、引き続き戻り余地を残していると言える。目先、大陰線仲値や20日基準線などレジスタンスラインの集まる116円アッパーを抜けてくると、上昇圧力が強まりそうだ。 ちなみに116円台を抜けてくると、次は直前高値水準であり、1σ上限や転換線などが集まる118.20円がレジスタンスラインとなりそう。

ただ、足型的には塔婆型の足型となりそうで下値に不安を残すカタチ、戻りも鈍く、引き続きリスクは下方に強そうな状況だ。

115円が心理的な節目として注目されるが、この水準を割り込むようだと、次は週足ベース雲の交差ポイントであり、また5/15を基点とした上昇トレンドの50%押し水準となる114円ミドルがサポートラインとして見えてくる。次いで113円ミドル近辺が機能しそうだ。 いずれにしても、来週は上ヒゲを埋める(116.50円近辺埋め)強い上げ線となるかがポイントだ。

115円が心理的節目。116円台抜けで上昇圧力が強まるか?

経済・為替そしてそれに付随する情報の提供を目的としてのみ作成されたものであり、取引の勧誘を目的としたものではありません。万一内容に誤りがあった場合、また当内容を用いたために直接あるいは間接的に生じた損失について、解説者及びフェニックス証券はいかなる責任を負うものではありません。取引に関しての最終決定は必ずお客様自身の判断でなさいますようお願い申し上げます。