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2007年1月29日

1/29 米国、欧州のイベントに注目。円キャリートレード再開なるか | トレイダーズ証券(株)及川佳奈子さん

トレイダーズ証券(株)
営業企画部情報戦略課
及川佳奈子さん

プロフィール

大手信託銀行(外国株式のコーポレートアクションに携わる)を経て2003年6月にトレイダーズ証券に入社。以来、市場分析に携わり、WEB上のレポートやメールマガジン、トレイダーズTVへ情報提供。海外通信社からの取材を受けるなど、英語能力を活かした現地情報の収集力には定評。

米国、欧州のイベントに注目。円キャリートレード再開なるか

先週(1/22〜1/26)は、円の買戻しが一時優勢となり、クロス円が大きく値を崩しました。ドル円相場も週前半には一昨年末の高値を越えて121円80銭手前まで上昇していたものの、クロス円の下げに連れ安となり120円20銭台まで一時下げました。今週(1/29〜)は、米国で為替報告についての議会証言や米連邦公開市場委員会(FOMC)、欧州ではユーロ圏財務相会合(ユーログループ)といったイベントが予定されています。こうした状況下で、今週は、これまで続いていた円キャリートレードによる円売りの動きが再開するのかどうかを見極める週となりそうです。

ユーロ圏財務相会合、米財務長官の議会証言は、円高要因として注意

まず、円高要因になりうる材料としておさえておきたいのは、29日に開かれるユーロ圏財務相会合です。2月9−10日に独エッセンで開催される7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で、円安を議題にするのか策定する場となりそうです。昨年9月に開催されたシンガポールG7で、既に一部の欧州当局者が円安を牽制する発言をしていただけに、今回、円安に対する圧力が一段と強まったとしても不思議ではない状況といえるでしょう。 また、31日に予定されているポールソン米財務長官による為替報告書についての議会証言も気になるところです。昨秋の中間選挙で勝利した保護主義的傾向の強い民主党が、中国人民元の追加切り上げやアジア通貨高を要求している可能性もありますので、証言内容には注目です。

金利相場が続く限り、円売りの流れは継続する

とはいえ、ここから先、一方向的に円高が進行するとは考えていません。これまでと同じ金利相場が続く限り、超低金利の円を売る流れは継続するものと思われます。2月の利上げを占う上で注目されていた全国消費者物価指数(26日発表)は市場予想を下回り、またもや次回利上げの決め手にはなりませんでした。ただでさえ、通常国会の会期中や参院選前ということもあって政府からの圧力は強まりやすい状況であるのに、利上げをきちんと正当化できる材料が揃わない限り日銀が利上げに踏み切るのは難しいといえるでしょう。一方で、米国では31日にFOMCが開催されます。バーナンキFRB議長の発言次第では、ひょっとすると追加利上げに対する観測が再浮上する可能性も否定はできません。2日には米雇用統計も発表されますので、米景気の底堅さが示された場合のドル高・円安も想定しておきたいところです。

ドル/円相場の上値の目処は、先週の高値121円80銭。そのレベルを上回った場合には、2002年高値135円からの下げに対する61.8%戻し122円30銭が次のポイントとなるでしょう。一方、下値は120円台を維持できるのかどうかに注目しながら取り組みたい局面です。

目先上値の目処は121円80銭、次のポイントは122円30銭

2月5日からの週の見通しについては、トレイダーズアイweeklyをご覧ください。 http://www.traderssec.com/invest/forex/fx_eye.html

トレイダーズ証券で外国為替証拠金取引

経済・為替そしてそれに付随する情報の提供を目的としてのみ作成されたものであり、取引の勧誘を目的としたものではありません。万一内容に誤りがあった場合、また当内容を用いたために直接あるいは間接的に生じた損失について、解説者及びトレイダーズ証券はいかなる責任を負うものではありません。取引に関しての最終決定は必ずお客様自身の判断でなさいますようお願い申し上げます。

2007年1月12日

ひまわり証券-円の利上げ、50%は織り込み済み。ドル円の下値は限定的と考えたい

ひまわり証券(株)
金融市場部 市場分析チーム
湊川 直人さん

プロフィール

ひまわり証券に入社以来、金融市場部に在籍し、一貫して市場・情報分析に従事。Flash Newsやオセアニア通貨レポート(Tri NationsReport)の執筆など、ホームページ上での人気コンテンツを担当。マクロ経済に対する造詣が深く、中央銀行の金融政策などファンダメンタルズ分析には定評がある。

円の利上げ、50%は織り込み済み。ドル円の下値は限定的と考えたい

日銀の今月の政策決定に対する期待が混在している。 ここまでの経済データはまちまちであり、決して好調とは言い難い。しかし企業セクターを中心に景気は順調な回復基調に乗っている。それ故、今月初めに日本の一部新聞が報じたように、今回の会合(1月17日〜18日)では予防的な側面から利上げを実施する可能性が高いか。また、市場はその利上げ期待を50%ほど織り込んいる。ではなぜ、その期待を背景に円は買われていないのか。ここまでの動向には外債投資に伴う円売りを始め、年末年始にかけて先行した利上げ期待により構築された円ロングの外しが指摘出来る。また、竹中・元経済財政担当相やその他有識者らによる利上げ批判が市場のセンチメントを悪化させている可能性も挙げられる。

市場の利上げ期待は50/50

利上げ期待がある中、当然利上げを実施しない可能性も残る。先月28日、福井日銀総裁は「政策を変更する前にトレンドを把握する必要がある」とし、慎重な姿勢を示した。またそれに先立ち発表された全世帯家計調査(前年比)は-0.7%と振るわずの結果となった。同データのマイナス幅自体は縮小しつつあるが、それでも05年12月以降一度もプラス圏を回復していない。更に、06年第4四半期のGDPが2月中旬に発表される事から、これを見極めたいのでは?との思惑もあると聞く。

日銀の政策会合は17日/18日の両日に行われる。ここでの動向を知る上で今最も注目すべきは、12日に予定されている日銀支店長会議となろう。円の動向はここで市場の期待の進退がどうなるかで決まる。既に述べたように、市場の期待は50/50ほど。どちらにも転がる余地がある。

海外勢の円キャリートレードは健在

では仮に利上げが実施されれば、円は買われるか?その余地は限定的と見る。利上げが円に対し優勢的な選好材料となる可能性は低いだろう。ドル円の下値は限定的と見る。その理由に、根強いキャリートレードの存在を挙げたい。そしてそのカギを握るのがユーロ円、そしてポンド円といったクロス円となるだろう。

BOEは11日、サプライズ的に利上げを実施した。ECBは経済データを精査するために、この先数ヶ月間据え置き政策を実施するだろうが、金融政策のバイアスは上向きにある。日本人は既に”円”を持っている事からその”円を売る、買う”という行為には馴染みがないが、海外勢にとってそのキャリートレードは健在している。これが円の上値を抑える要因となろう。ユーロ円は156.40‐50(1月3日高値-8日安値の戻し61.8%水準)が目途となる。ドル円は120円‐125円の次のステージへ向け、120円台をサポート出来るかどうか。その上で、まずは目先121円台(05年高値121円40銭)が目標となる。


●ドル円は目先121円台が目標か?





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