2/23 日銀利上げでも円売り基調は継続か | トレイダーズ証券(株)及川佳奈子さん
- トレイダーズ証券(株)
営業企画部情報戦略課 - 及川佳奈子さん
大手信託銀行(外国株式のコーポレートアクションに携わる)を経て2003年6月にトレイダーズ証券に入社。以来、市場分析に携わり、WEB上のレポートやメールマガジン、トレイダーズTVへ情報提供。海外通信社からの取材を受けるなど、英語能力を活かした現地情報の収集力には定評。
日銀利上げでも円売り基調は継続か
2月21日に日銀は、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.25%引き上げて、年0.50%にすることを決定しました。利上げの有無を巡って先週(2/19〜の週)の外国為替相場では円が乱高下する局面もありましたが、結局は円売り優勢というマーケットの地合いに変化は見られませんでした。当面、この円売りの流れは継続するのでしょうか?
超低金利の円安を米国も容認
市場のテーマが「金利相場」である限り、基本的にはこれまで同様、円キャリートレードが継続するものと考えます。いくら日銀が利上げに踏み切ったところで、0.50%では未だ正常な金利とは言えません。同じく低金利政策で知られているスイスでさえ、昨年の追加利上げで政策金利を2.00%まで戻しています。各国との金利差を考えると、円を積極的に買うといった地合いではなさそうです。
また、米金融当局者が「円安は経済ファンダメンタルズを反映、強いドルは明らかに米国の利益(=ポールソン米財務長官、1月31日)」という姿勢を示していることも円売り安心感につながり、ドル/円相場やその他のクロス円は上値を拡大する展開が続くのではないかと考えています。
円買い戻しのスピードには注意
ただ、円高に対する警戒も怠れません。投機筋の円売りポジションは過去最高の水準で高止まりしています。2月中旬にわずか3日間でドル/円相場は3円下落しましたが、マーケット参加者が「円売られすぎ」に対する警戒を抱けば抱くほど、何かをきっかけに一気に円ショートポジションの巻き戻し(=円買い)が進行する可能性も否定できません。そのような場合に備えて、ポジションの管理はしっかりしておきたいところです。
ドル/円相場の上値のポイントは、昨年来高値の122円20銭。長めのチャートを見てみますと、2002年の高値135円14銭からの下げに対する61.8%戻しがこの水準に位置しており、前回はレジスタンスとなったことがわかります。ここを越えて上値を拡大することが出来るのかどうか、見ていきたいところです。一方の下値は、2月下旬の下落局面でサポートとなった119円ちょうどを割り込まずに推移できるのか、そこがポイントとなるでしょう。
●ドル/円相場は今年1月の高値を更新できるか?!
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