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2007年3月23日

3/23 あやふやな米ドルの動き | トレイダーズ証券(株)及川佳奈子さん

トレイダーズ証券(株)
営業企画部情報戦略課
及川佳奈子さん

プロフィール

大手信託銀行(外国株式のコーポレートアクションに携わる)を経て2003年6月にトレイダーズ証券に入社。以来、市場分析に携わり、WEB上のレポートやメールマガジン、トレイダーズTVへ情報提供。海外通信社からの取材を受けるなど、英語能力を活かした現地情報の収集力には定評。

あやふやな米ドルの動き

2月下旬に起こった世界同時株安から約一ヶ月。マーケットは徐々に落ち着きを取り戻し、為替市場では円売り安心感が再び広がりつつあります。3月19日の週の主要通貨のパフォーマンスを見ても、円やスイスフランといった低金利通貨が売られた一方で、南アフリカ・ランドや豪ドル、NZドルといった高金利通貨が買われたことがわかります。ただ、米ドルの方向性に関しては、判断するのに今しばらくの時間が必要と思われます。市場が懸念しているように、米景気は後退に向かっているのか、その辺りを見極める必要がありそうです。


米国の個人消費の動向に注目

3月21日のFOMC(米連邦公開市場委員会)声明では、「一段の引き締めの可能性」という文言が削除され、市場では利下げに対する期待感が強まりました。これを受けて、米国市場では株価と債券価格が上昇し、米ドルが売られる展開となりました。しかし、いま一度FOMC声明を眺めてみると、必ずしも利下げを示唆した内容ではないことがわかります。

「最近のコアインフレの数値は幾分か上昇してきている」とインフレに対しては警戒心を緩めていません。住宅価格の落ち込みや、サブプライムローン(信用度の低い借り手へ高金利で融資する)の焦げ付き問題などが、今後、個人消費部門にどのように波及してくるのか、関連指標には注意する必要があるでしょう。またインフレの観点から言えば、再び上昇を見せている原油価格の動向も気をつけて見ていきたいところです。

値が動きやすい3月相場

ところで、3月は為替相場が動きやすいことで知られています。実際に、過去10年間の月間変化率を調べてみたところ、やはり3月が突出していました。他の月が4.5%〜5.0%前後の変化率であるのに対し、3月は過去10年間で月間平均5.75%動いています。今月は23日現在3.12%の動きに留まっていますが、仮に過去10年間の平均変化率を当てはめてみると、上は121円98銭、下は112円03銭までいく計算になります。残り一週間でそれだけまだ上昇・下落余地が残されていると言えるかもしれませんね。あくまで過去則に基づいた判断ですが、たまにはこういうふうに考えてみるのも面白いものです。

さて、ドル/円相場のチャートを見てみましょう。円売りが再び活発化し、ドル円/相場は下値を徐々に切り上げていることがわかります。ただ、円が弱いのと同時に、最近はドルも弱いことから、クロス円に比べると伸び悩みが目立ちます。ここからさらに上値を伸ばすためには、3月12日の戻り高値118円50銭、またそのすぐ上に位置している100日移動平均線、そして1月からの下げに対する半値戻し(118円65銭)を越えていく必要があるでしょう。一方の下値は3月5日の安値115円16銭がポイントです。ここ4週間ほど、115円16銭から118円50銭の間での推移が続いていますので、このレンジを抜けたほうについていくといいかもしれません。

118円台中盤に集中するレジスタンスを突破できるか

トレイダーズ証券で外国為替証拠金取引

経済・為替そしてそれに付随する情報の提供を目的としてのみ作成されたものであり、取引の勧誘を目的としたものではありません。万一内容に誤りがあった場合、また当内容を用いたために直接あるいは間接的に生じた損失について、解説者及びトレイダーズ証券はいかなる責任を負うものではありません。取引に関しての最終決定は必ずお客様自身の判断でなさいますようお願い申し上げます。

2007年3月 9日

3/9 ひまわり証券-政策金利は6.25%に据え置き。キャリートレードで妙味のカナダドル円

ひまわり証券(株)
金融市場部 市場分析チーム
湊川 直人さん

プロフィール

ひまわり証券に入社以来、金融市場部に在籍し、一貫して市場・情報分析に従事。Flash Newsやオセアニア通貨レポート(Tri NationsReport)の執筆など、ホームページ上での人気コンテンツを担当。マクロ経済に対する造詣が深く、中央銀行の金融政策などファンダメンタルズ分析には定評がある。

政策金利は6.25%に据え置き。キャリートレードで妙味のカナダドル円

3月6日、カナダ中銀は政策金利を6.25%で据え置いた。
同時に公表された声明文は、前回1月の会合時に示したそれと大差なく、大きな変更は見られなかった。ただ、相違は以下の2点。
?@前回あった”住宅価格がリスク”との文言が削除。
?A”下方リスクが幾分縮小した”との文言も削除。
中銀は、「景気は来年にかけて好調」との見方を堅持しており、前述の2つの削除は、現状のカナダ経済が上振れも下振れもしないいわゆる中立状態にある可能性を示すものと言える。

カナダドルの動向を占う「原油・商品相場」

中銀が景気・金融政策に対して中立的な見方を示した事で、今後のカナダドルの動向を左右する主要因は、「原油・商品相場」となろう。商品は同国の輸出の約54%を占める。それ故、原油などの商品相場の動向は無視出来ない。また、前述の中銀による楽観的な見通しもカナダドルのサポートになり得るだろう。

楽観的な見通しが今後変化するリスクは何か?
前述の商品相場以外では、同国のインフレ率、及び失業率の動向がそれに当る。現状の同国のインフレ率は中銀のターゲットに沿っており、また失業率においては約30年ぶりの低水準で安定的に推移している。これが中銀に利上げ・利下げ双方の必要性がない事を示唆している。この2つの変動が、中銀の見通し、ひいては今後の金融政策のカギを握る。

カナダドル円は3月安値がサポートラインに

目先、妙味があるのは対ドルではなく、対円だろう。前述の通り、現在のカナダ中銀に政策を変更する理由はなく、また少なくともここまでのデータで判断するならば、中銀は年内に金利を変更する事はないだろう。今後のキャリートレードの再開を考えるならば、米国(5.25%)、日本(0.50%)のどちらが有利か一目瞭然。カナダドル円は97.55(3月安値)をサポートラインとし、上値目途は100.30(2月高値→3月安値の戻し38.2%)となろう。目先は少なくともその100.30を試すだろう。

カナダドル円は、目先100.30円を試す



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